中国経済の発展を見込んでいる理由は?
中国経済の発展を堅く信じている理由について、和中氏は、「13億の中国人の裕福になるという決意と行動を目にしたから」とする。
まず、「中国製造業2025」計画は、中国の製造業が飛躍的な発展を実現するためのロードマップだ。
和中氏は、「現在、中国経済の発展は既に、深みに入っている。中国の製造業の発展をめぐる問題は、中国経済の将来全体に係る。15年5月、中国国務院は、『中国製造2025』を発表し、製造強国戦略の実施を全面的に推進している。私はこの戦略に一目置いている。この戦略の中心となっているのが『製造業において、単なる生産からレベルアップさせ商品の付加価値を増やす』という精神。中国の製造業の企業が、この点に着目できるか、製品の付加価値を増やせるか、さらに、『メイドインチャイナ』というブランドを構築できるかは、中国製造業のモデル転換・高度化が成功できるか、また、中国経済全体の未来にかかわっている」と指摘する。
しかし、一国の製造業の発展は、政府というトップ層の計画だけでなく、全国民、特に企業生産者がこの問題をいかに真剣に考えるかにかかっている。
「この点、日本の優秀な企業家が有する『匠の精神』は、中国企業が参考にする価値があると思う。製品の付加価値を増やしながら、企業家の経営管理の面における『匠の精神』を育てる。私は、これが中国製造業が発展するために必要なことだと思う」と和中氏。
また、和中氏は、インフラ投資が中国経済の発展のための潜在力となるとみている。しかし、「製造業」と「不動産投資」のバランスを取ることが必要だ。