対外投資という観点から見ると、中国は多くの国々にとって重要な外資の導入元となっている。2016年1-11月の中国の対外投資額は累計で1兆696億3000万元に達し、前年比で55.3%の大幅増となった。「一帯一路」構想の実施とAIIBの運営開始に伴い、中国の対外投資は規模と分野が一段と拡大する見通しだ。
外資導入という点から見ると、2016年の対中投資額(実行ベース、金融除く)は7850億元で、発展途上国では25年連続で首位となる見込みだ。世界経済が低迷し、貿易保護主義が台頭、海外直接投資が逆風に直面するなか、中国は引き続き世界で最も魅力的な投資対象国の1つとなっている。双方向への開放とともに、市場要素がグローバルに流動するなか、中国経済はグローバル化の重要な推進力となっている。
世界の経済成長に対して言えば、中国の成長維持はむろん重要だが、世界が力を結集して共に前進することが一段と重要になる。米国経済は金融危機後に調整局面が続いていたが、雇用や成長率などの指標が顕著に改善、FRBの利上げサイクルも動き始めたが、その一方でユーロ圏と日本経済は低迷が続いている。世界経済を支えるために、構造改革の推進や貿易障壁の緩和など、経済先進国ができることは多い。
中国経済は「改革の深化」をめざし、「難題に取り組む」時期に入っているが、改革を通じてどのように成長基盤を固めるかが重要となっている。