人民元を空売りする人は見る目がなかったようだ。人民元が1月4日から5日にかけて、2日間では過去最高の値上がりとなった。前日の800ポイントの急騰に続き5日も、寄り付きからオフショアの対ドル人民元価格が一気に700ポイント以上値を上げ、6.7890元となった。新年に「7元越え」を見込んで空売りを仕掛けてきた投資家は、この2日間の値動きに慌てふためいている。ブルームバーグは「損切しかない」、「出血が止まらない」など、為替ディーラーたちの声を報じている。
ある報道によると、中国は今回、「米ドル備蓄を全く使っていない」という。英紙「フィナンシャルタイムズ」は、「力強い経済データとオフショア市場の流動性の減少が空売り投資家の思惑を粉砕した。さらに各国通貨に対する米ドルの弱気相場観測が生じたこともあった」と分析する。
ドイツの経済系サイトは5日、「中国の空売りが再び失敗」と報じ、人民元の急騰は空売りコストを上昇させたと分析する。「いまは人民元が急騰する根拠も急落する根拠もない時代だ」。
清華大学経済外交研究センターの何茂春主任は5日、「環球時報」の取材に対してそう述べる。「世界の100カ国以上の戦略的準備通貨となっている人民元は、かなりの信用と安定性を持つ。人民元の空売りに賭けるのは割があわない」。