利益が極端に低いため、ボールペンのボールの製造業者は、小規模の民間企業ばかりとなっている。
上海の炭化タングステンボール製造業者の責任者は「ボールを製造する企業はいずれも小規模の企業で、民間が多い。当社は炭化タングステンボールを毎年数十億個作っており、市場シェアは20%に満たない。この程度の規模の企業が全国にあと3−5社あり、残りはより小規模な企業だ」と述べた。
ステンレスボール製造業者は主に、遼寧省大連市に分布している。大連昊明鋼珠有限公司の法定代表者は、インタビューに応じた際に「当社は硬い材質の合金をあまり作っておらず、ステンレスボールに特化している。しかし実際には、ステンレスボールは炭化タングステンボールによって、市場から淘汰されている」と語った。
これらの小規模の民間企業は、「生存優先」の原則により、通常は低品質のボールの生産を選ぶ。また小企業間の激しい市場競争により、品質を重視できない。同責任者は「国内の多くの企業が安値で販売している。必然的にコストなども下がっている。こうしなければ経営を続けることができない」と指摘した。
高品質の炭化タングステンの生産量は全体の10%未満で、輸出が中心だ。前述した責任者は「高品質の炭化タングステンボールは、国内の炭化タングステンボールの価格を20−30%上回るが、それでも大きな利益を生まない。高品質の場合、原材料コストなどの条件が高くなるからだ」と話した。炭化タングステンボールの輸出量は100億個以上。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年1月20日