日本貿易振興機構(ジェトロ)北京代表所の田端祥久首席代表は「供給側構造型改革と日系企業の中国業務」の説明会で「日本企業による中国からの大規模な撤退はない。日本メディアの先ほどの関連報道は誤報だ」と強調した。説明会は「2016年度アジア、太平洋日系企業の実況調査」に基づいたものであり、同調査のデータによると、中国市場での投資を維持もしくは拡大するとした日本企業は、全体の92.9%を占める。うち「拡大」は前年比2ポイント増の40.1%。その理由の8割以上は「売上増」で、「高い成長の潜在力」が44.4%で続いた。
同調査によると、「今後1−2年で中国事業を拡大」は40.1%で、3年ぶりに上昇。「縮小、もしくは移転・撤退」は3.4ポイント減の7.2%のみ。
田端氏は中国経済の供給側構造改革の推進に伴い、日本企業の投資先と分野にも新たな特徴が見られると指摘した。全体的に見ると、内需型企業は投資・生産拡大の意向を強めており、外需型は積極性が低い。販路拡大を選択する企業が多かったのは、食品、化学薬品、輸送機械・設備、卸売・小売業。この比率は非鉄金属や繊維などで低く、19.1%のみ。通信・ソフト業界の5割以上の商品が輸出されているが、調査によると、同業界の企業のすべてが生産・投資を「維持もしくは拡大」と回答した。拡大はさらに65%を占めた。