アリババ・グループの馬雲会長は4日、メルボルンの豪州・NZ本部立ち上げの開幕式に出席し、「誰もが貿易戦争に関心を寄せている。貿易が停止すれば、戦争が始まる」と述べた。複数の海外メディアが伝えた。
馬氏の発言は、潜在的な貿易戦争への警鐘であり、貿易の価値に対する理解を示した。馬氏は「貿易は価値と文化の交換だ。私たちは貿易が人々の意思疎通と交流を促進することを、積極的に証明しなければならない」と述べた。馬氏と対照的なのは、米国だ。トランプ大統領は貿易保護と「米国第一」というポピュリズムの姿勢を崩しておらず、就任するなりTPP離脱を宣言し、オバマ前大統領の7年間の努力を水の泡にした。民主党と共和党は選挙中、TPPを槍玉に挙げていた。トランプ大統領は就任後、より着実で実行可能な改善案を打ち出すことができるが、これには外交の手腕、譲歩、熟慮が必要だ。だが現状を見る限り、トランプ大統領のチームはこれらに少しも関心がないようだ。
馬氏は3日、豪州のマルコム・ターンブル首相と会談し、和やかな雰囲気になったという。会談ではより自由な電子商取引特別貿易区が話し合われた。この会談は、トランプ大統領がターンブル首相との電話を切り、ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官がターンブル首相の名前を間違え続けているのとは対照的だ。
馬氏は1月トランプ大統領と会談し、米国に100万人の雇用機会をもたらすと称したが、これはアピールにすぎないと判断されている。
トランプ大統領は就任以来、各種措置を打ち出しているが、世界の貿易一体化は依然として大勢の赴くところだ。国内の物価を高騰させたくなければ、トランプ大統領は真の世界・国際関係の複雑性に目を向けるべきだ。貿易戦争が上手くいかなければ、本物の戦争に発展しかねない。ところがトランプ大統領は現在、そのことをまったく気にしていないようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月7日