これらの政策で生まれるメリットが幻だったとしても、それによって生じる損害は実質的なものとなる。まず物価が上がり、生活水準は下がる。ある概算によると、もしアップルがアメリカで組み立てを行った場合、1台あたりのiPhoneのコストは30~40ドル上がる。もし部品もアメリカ国内で製造すれば、そのコストは100ドル上がる。2009年、オバマ政権は中国製のタイヤに35%の関税をかけたが、その結果、消費者は11億ドルのコストを多く支払うことになった。このような物価上昇によるマイナスの影響を最も受けるのは貧困層だ。貧困層は中国製の低価格商品で最も恩恵を受ける人々である。
これらの政策が引き起こすもう一つのマイナス面は、中国から報復の可能性があることである。中国はそれをすでにほのめかしており、アメリカ企業に関税をかける可能性が高まっている。ほかにも独占禁止法審査の厳格化、ダンピング調査の開始、政府のアメリカ製品購入の減少などが考えられる。中国はアメリカのやり方をそっくりやり返すことができる。飛行機、農作物などのアメリカ製品に高い関税をかけることができるのだ。中国に進出するアメリカ企業が憂慮するのも当然だろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月9日