中国民生銀行の温彬チーフ研究員は、「今後数カ月間、外貨準備の減少幅は縮小を続けるとみられる。今年1月の外貨準備は主に2つの方面の影響を受けた。1つは、今年1月に米ドル指数が2.64%低下し、外貨準備の投資におけるユーロ資産や円資産の価値が増大したこと。もう1つは、人民元の対ドルレートが下げ止まって反発し、元安が一時的に逆転するとみられ、これに外貨の合規性の審査が強化されたことが加わり、外貨の決済・購入の逆転現象に好転の可能性があるとされたことだ」との見方を示す。
謝アナリストは、「1月の外貨準備高減少には3つの季節的要因の影響がある。個人の外貨購入の限度額制度が復活して外貨資産保有のニーズが高まったこと、春節の海外旅行で外貨購入ニーズが高まったこと、企業が債務返済期限を迎えて外貨資金が必要になったことだ。債権市場の開放など複数の要因を総合的に考慮すると、17年には中国の国境を越えた資本流出の規模は縮小し、外貨準備高の減少ペースは鈍化するだろう」と予測する。
華泰証券の李超チーフマクロ研究員は、「このたびの人民元の切り上げ幅は米ドル指数の低下幅には及ばず、人民元は17年も切り上げ圧力を受けるとみられる。米ドル指数が上昇の動きをみせれば、人民元の切り下げ調整のペースは切り上げ調整を上回るものになる」との見方を示す。