シャオミ、魅族、楽視など、安さを売りにする中国スマホメーカーが相次いでローエンド機種の値上げを行っている。値上げ幅は数十元から100~200元までそれぞれだ。ネットとの連携を重視したスマホモデルが流行してから数年が経つ中、国産スマホがまとまって値上げするのは今回が初めてのことである。
では、その背景はどんなものなのか。今後のスマホ市場での争いは新たなステージに入るのだろうか。
メーカーを圧迫するコスト上昇
アップルやサムスンなどハイエンドスマホと比べてコストパフォーマンスが極めて高い中国の国産スマホは、多くのユーザーの支持を集めてきた。その価格競争はすでに消耗戦に転じ、ハードウェアでの利益をゼロにしたり、マイナスに設定したりするメーカーすら現れていた。いわゆるエコシステムによる収益を確保することで、価格面での競争力を高めようとしたのだ。
競争の激しい巨大市場で、値上げでもすれば転落は必至。だからこそ、これまで国産スマホは、値下げセールをしても値上げすることはなかった。では、どうして今になって値上げという選択を採る国産スマホメーカーが増えたのだろうか。
アナリストは、その要因を2つ挙げる。第一に、上昇を続ける部品価格。第二に、為替変動率の影響だ。
今のところ国産スマホメーカーは、チップ、メモリー、液晶パネル、電池など多くの部品を輸入に頼っている。昨年後半からすべての電子産業で部品の不足や価格上昇がみられた。加えて人件費コストやオンライン・オフラインのチャネルコストも上がっている。
さらに人民元安が加わることで、多くのメーカーのコストが大幅に上昇したのだ。 普段に上昇するコスト。そしてほぼ原価、あるいは赤字での販売価格。存続も危うい状況の中、値上げが国産スマホメーカーの唯一の生存手段になったのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月19日