2016年は中国の投資成長が安定に向かう年となった。2017年の方針について、国家発展改革委員会(発改委)の秘書長と投資司の司長を務める許昆林氏は、供給側の構造改革を中心に、投資分野の重大改革・政策・プロジェクトを統括的に実施する計画だと語る。投資の各項目に関わる作業を円滑に進め、より質の高い経済発展を推し進める。
許昆林・秘書長は、発改委の2017年の方針について、経済社会の発展を著しく阻害する分野と要となる部分について、7つの方面から脆弱分野の補強に注力、有効な供給を増やすと強調した。
(1)投融資制度改革の深化を継続する
重点課題を実行し、効果を実証。関連方面と協調して課題の実行を徹底する。地方企業の投資プロジェクトについて新たな制度革新や先行導入を奨励する。「企業投資プロジェクトの承認・届出管理条例」と「政府承認の投資プロジェクト目録(2016年版)」などを徹底し、企業投資プロジェクトの承認・届出管理弁法を発表。投資プロジェクトのオンラインでの審査・監督管理・運営をめぐる暫定弁法を策定する。
(2)脆弱分野の補強を強化し、165件の重大プロジェクトを推進する
各分野で脆弱分野の補強に向けた実施方案を整備し、確実に実行する。主要目標と課題を徹底し、責任主体と完了時期を明確にする。取り組みをスピーディーに、力強く、スムーズに進め、「十三五」(第13次5カ年計画、2016年~2020年)計画綱要で提起した重大プロジェクトを統括的に実行する。
(3)中央予算の範囲内での投資構造を改善する
中央予算の範囲内での投資構造を調整し、貧困者救済、災害復興、水利施設建設など脆弱分野の補強をめぐる重大戦略・工事・プロジェクトの建設に重点的に資金を割り当てる。計画の進捗を加速し、投資の実行完了を月単位で調整、地方投資の実行を加速し、事業の実体を早期に形成する。
(4)民間投資の積極性を喚起する
国務院の特別チームが提起した26項目の政策などを実行し、民間投資の健全で安定的な発展を促進。投融資の協調を進め、金融機関と優良な民間投資プロジェクトのマッチングを円滑に進める。金融機関の投資方針の明確化をサポートし、投資リスクの低下を図り、実体経済に資金が流れるように促す。