「中国の開放の扉が閉じられることはない。全方位的に対外開放を堅持し、引き続き貿易と投資の自由化と円滑化に取り組んでいくべきだ」――中国・北京で開会中の「全国両会」(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)で習近平国家主席は5日、上海代表団による政府活動報告の審議に参加し、重要講話でこう述べ、各界から大きな反響を呼んだ。
習主席の講話は、対外開放を堅持し、積極的にグローバル化の立場を提唱するという中国の姿勢を打ち出したもので、今後の発展の方向性を明示したものと考えられる。
■対外開放を堅持、イノベーションを忘れるべからず
全国政協委員で経済学者の劉志彪氏は、「習主席の講話は、中国の全方位的な開放姿勢を示したものだ。躍進中の大国として、開放的な姿勢を持つべきであり、より多くの人に中国を理解してもらう必要がある」と指摘。中国の発展に伴い、開放の形も変化する必要があるとした上で、自らの市場を創設し、他国の先進的な技術的資本、経済的資本、知的資本を吸収する必要性を訴えた。
全国人民代表大会代表で上海国際港務(集団)股フェン有限公司の董事長を務める陳戌源氏は、「グローバル化と貿易の自由化は時代の趨勢であり、中国企業は習主席の開放路線を推進し、如何にしてグローバル競争の中で新たな優位性を勝ち取るかを学ばなければならない」と述べた。
■「一帯一路」、開放の新局面を開拓
習主席は上海代表団の審議で、「上海自由貿易試験区を開放とイノベーションを融合した一体型の総合改革試験区とするよう努め、国策として進める新シルクロード経済圏構想「一帯一路」の建設や、市場を主体とした「走出去」(海外進出)を推進する足がかりにすべきだ」と述べた。
代表委員らはこれを受け、今後の対外開放のプロセスにおいて、「一帯一路」が重要な方向性になるとの認識を示した。