米連邦準備理事会(FRB)は北京時間16日早朝、短期金融市場の金利目標を0.25ポイント引き上げ、0.75~1.00%とした。これはリーマンショック以来3度目のFRBによる利上げであり、直近3か月で2回目の利上げとなる。しかしFRBは、利上げ政策の歩みを加速させることを明示していない。年内の利上げ回数は3回と予想されている。
「中国証券網」の取材に対し国内外の専門家は、FRBが今年3度の利上げを実施するかどうかは、具体的な経済状況によると考えている。トランプ政権が採るとされる財政出動が十分なものかどうか見極める必要もある。一方、人民元為替相場への影響は限定的とみられている。
ムーディーズのシニアエコノミストのMark Zandi氏:
アメリカ経済は失業率が5%未満と雇用状態は十分な状態にあり、所得も向上している。リストラ数は低レベルにとどまり、新規求人数も歴代最高を記録した。今年、FRBは少なくとも3回の利上げを行うだろう。雇用も十分にあり、インフレ率もFRBが目標とする2%に近づいている上、今後数か月でさらにインフレが進むとみられるためだ。アメリカの金融状況は力強いものであり、グローバル経済もさらに良好になっている。金利正常化のためにFRBが求める条件は急速に整いつつある。
ただし、もし経済が減速したり、新たな危機が発生したりした場合は、FRBの利上げの歩みは緩慢なものとなるだろう。
また、もしトランプ政権が、赤字融資減税や政府支出の増加など多くの財政出動による経済刺激策を進めれば、FRBの利上げは加速することになる。財政政策に大きな変化が見られなかった場合は、FRBの利率正常化の歩みは遅くなる。