中国の海南省博鰲(ボアオ)で23日から4日間の日程で開催されているボアオ・アジアフォーラム。アジアと新興国の重要対話の場として、「グローバル化と自由貿易の未来に向かって」が今回のフォーラムのテーマとなっている。
世界で広がる「脱グローバル化」と保護貿易主義の動きに対抗するため、今回のフォーラムでは「グローバル化」と「自由貿易」の2つのキーワードが焦点となっている。
トランプ米大統領は今や脱グローバル化と保護貿易主義の象徴的な存在となっているが、米国が今日のような世界一の経済大国と貿易大国という地位を築けたのは、ほかならぬグローバル化と自由貿易のお蔭であることを考えると、実に皮肉なことだ。
米国は過去7年にわたって世界を経済危機に陥れた元凶であり、身勝手な金融政策によって自国だけを救い、危機を世界に転嫁してきた張本人だ。今や、「金融政策の正常化」に向けた歩みは米国の経済回復を象徴しているが、トランプ大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を宣言したように、米国は二度とグローバル化に対する責任を負いたくはなく、保護貿易主義によって自国の利益だけを確保したいのだ。