中国広核集団はこのほど、原子力発電の育成訓練協力の枠組みと秘密保持の契約をケニア原発局と結んだことを発表した。これは実質的に中国とケニアが技術提携協力するものであり、中国の原発「華龍1号」をアフリカに輸出する大きな一歩となるものだ。中国の原発の技術・設備および施工を含む包括的な輸出が実現することになる。
中国広核の董事長である賀禹氏は先ごろ、同社がすでにフランス電力やイギリス政府と一連の契約を結んでおり、「華龍1号」がイギリスの包括的設計審査に通り次第、同国ブラッドウェル原子力発電所Bプロジェクトの受注が決まることを明らかにした。中国の原発技術は、世界で最も早く商業原発運営を実現させた国であるイギリスに進出する可能性が高まった。
原発1基の輸出は小型自動車100万台の輸出に相当するとされる。もし現在、中国のハイテク製造業の代名詞を挙げるとすれば、1つは高速鉄道であり、もう1つは疑いなく「華龍1号」になることだろう。
「華龍1号」は、中国の2大原発企業である中国広核と中国核工業が、福島原発事故の経験や中国および世界の最新原発安全要求を踏まえながら開発した第三世代100万kW級原発技術である。
第三世代原発技術の最も大きな特徴は、安全面の大幅な向上にある。「華龍1号」の特徴は2層の安全弁を持つことである。事故が発生した場合、内層の安全弁が反応して放射性物質の流出を防ぐ。外層の安全弁は外部衝撃による損傷に強く、旅客機の衝突にも耐えることができる。発電所敷地内も、福島原発事故レベルの地震に耐える構造となっている。