中国国家統計局のまとめによると、2017年第1四半期(1-3月)の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.9%と、前年同期より0.2ポイント加速、2016年第4四半期(10-12月)より0.1ポイント加速した。2017年第1四半期、中国経済が安定の中で改善に向かう傾向が続き、主要経済指標は予想を上回り、良好な滑り出しとなった。
では、どのような要因が第1四半期の経済成長率の回復を支えたのだろうか。国家統計局の毛盛勇・報道官が次のように解説した。
(1)工業の寄与度が高まる
昨年より、供給側の構造改革推進に伴い、市場の需給関係が顕著に改善、企業マインドも盛り上がった。製造業購買担当者指数(PMI)と非製造業商務活動指数などの先行指標から見ると、企業の景況感は全体的に上向いている。企業の利益成長は比較的速く、特に1-2月は、一定規模以上工業企業の利益が前年同期比で31.5%増加した。企業業績の好転が生産拡大につながり、工業生産が加速、経済成長全体に大きく寄与した。第1四半期の第2次産業付加価値は前年同期比6.4%増で、前年同期より0.5ポイント伸びが加速した。第2次産業のGDP成長に対する寄与率は36.1%と、前年同期より1.1ポイント拡大。このため、工業の寄与度が高まったと言える。
(2)消費の基礎的役割が強まる
①第1四半期の国民所得の実質成長率が7%と、前年同期より0.5ポイント加速した。所得の増加は消費拡大の前提となる。②中国では国民の消費構造の高度化が加速している。消費全体に占めるサービス消費の割合が高まり、伸びも加速。実物消費でも品質の高いものを求める傾向にあるため、消費の高度化が加速している。③「大衆創業、万衆創新」が盛んになり、新たな消費モデルや業態が生まれた。それに伴い新興消費が発展し、新たなエネルギーが成長した。これらの要因が重なり、17年第1四半期の経済成長に対する消費の寄与率は77.2%に達し、前年同期より2.2ポイント拡大した。