4月の黒龍江省は気候が温暖で、中国で最も農業が盛んな省として、作付け前の忙しさをすでに迎えている。田畑の風景とは逆に、寧安市蘭岡鎮にある古塔田源家庭農場の温室内では別の光景がみられ、10種類以上の果物と野菜が勢いよく育っている。
「この青果は数日後にロシア極東地方へ売られる。我々の合作社が果物と野菜をロシアへ輸出することは‘常態化’しており、輸出量は累計で100万トン近くに上る」と古塔田源家庭農場の責任者は話した。対ロシア青果輸出の発展は、家庭農場の経営理念であるだけでなく、寧安市の対ロシア経済・貿易の縮図だ。寧安市で2016年10月に運営が始められた中国初のロシア産業パークは、倉庫や物流などの機能を集約した産業パークとして、中国北疆地域の対ロシア青果輸出「ワンストップ」プラットフォームとなっている。
寧安市と同様に、斉斉哈爾(チチハル)、黒河、牡丹江なども青果栽培合作社がロシア市場に照準を定め、農業供給側改革を進める中国最大の農業省なかで対ロシア経済・貿易の立地的優位をベースに「華麗に転身」し、ロシア極東地方の「買い物かご」となった。