統計によれば、日本の企業の67%を占める登録資本金が1億円以下の中小企業は、利益がないので法人税を納められずにいる。日本の金融庁が全国の地方銀行を対象に行った最新の調査によると、「中小企業金融円滑化法」をふまえて借入金の償還期限を変更した企業15万社のうち、53%は「経営が改善されていない」企業で、43%は「借入期間を延長して5年以上にした」企業だ。
証券市場は本来は優良企業を見いだすメカニズムだ。「アベノミクス」で金融緩和政策が実施されると、日本銀行(中央銀行)は毎年3兆円から6兆円の規模で上場投資信託(EFT)を購入し、昨年末時点で、日本の株式市場の時価総額の2%を保有し、ますます多くの上場企業の大型株主になっていった。日銀の下支えがあるため、経営状態が極めて平凡な一連の企業も株価が下支えされ、市場の優勝劣敗の機能が損なわれることになる。
過去20年間の産業の再編から、政府の関与への過度の依存という日本の問題が明らかになった。21世紀になると、家電、コンピューター、液晶パネルなど、日本がこれまで得意としてきた優勢産業が、国際競争の中で徐々に勢いを失っていった。日本政府は企業が海外資本を積極的に導入してグローバルバリューチェーンに融合することを奨励するのではなく、政府が出資して株式を保有する株式会社産業革新機構が資金を出し、大手企業各社の損失を出している部門に対し「同類のもの同士を合併させ」、チームでの海外進出をねらおうとしている。だがこうした弱い者同士の「弱弱連合」はこれまで成功した試しがない。古い企業が破産して撤退しなければ、新しい企業が入り込む余地はない。ゾンビ企業は日本企業を投資不足に追いやり、市場競争を過剰にさせ、商品価格を低迷させ、ビジネスサイクルの回転を止めてしまう。