複数の大手ECサイトの海外進出は東南アジアの国民とECサイトの海外業務拡張にとってプラスになるだけでなく、中国人の海外での買い物も便利になる。
近年、ボーダレスECサイトの競争は激しさを増し、網易(ネットイース)の考拉海購(Kaola.com)、京東グローバルモールなどが次々と登場している。艾媒諮詢(iiMedia Research)が発表した『2016~17中国ボーダレスECサイト市場研究報告』によると、2016年の中国のボーダレスECサイトの取引額は6兆3000億元で、海外ユーザーは4100万人に達した。2018年は取引額8兆8000億元、ユーザー数7400万人になる見通し。
「一帯一路」提唱が政策面の支持となっていることは疑う余地がない。そのほか、発展の潜在力について言えば、発展途上国で世界3位の東南アジア地域には巨大な潜在力があり、ネット通販と「無現金」の決済方法の普及により先行きはさらに明るい。さらに、中国人のネット通販(海外購入を含む)、「無現金」消費の習慣、外国に行く中国人の急増などはECサイトの海外市場拡張に構想と市場を提供した。今回の京東とアリババの東南アジア市場での投資・合併により、中国人の海外での買い物はより便利になる。
欧米、日韓でない理由
まず、欧米地区では伝統的な決済方法が定着し、ウォルマートなどで買い物が便利であるため、ECサイトの市場シェアは比較的小さい。次に、欧米地区ではアマゾンが市場の大部分を占めている。アマゾンの2016年の財務報告によると、アマゾンの世界での売上高は1360億ドルで前年比27%増、主力市場の米国、ドイツ、日本ではそれぞれ28%、20%、31%の大幅増となり、その他の市場でも一部で52%の成長となっている。最後に、日韓には自身のECサイトがある。日本最大手のECサイト楽天市場は1997年に創設され、2000年にはアマゾンジャパンも進出した。韓国のECサイトのECPLAZAは世界一有名なB2Bサイトの1つであり、韓国貿易協会が管轄するKTNETが1990年に創設した、世界で最も成功したB2B企業の1つである。