中国商用飛機有限責任公司の作業計画によると、国産大型機「C919」は5日、上海の浦東空港から初飛行する予定だ。気象状況によっては延期の可能性もあり。C919は正式な初飛行後、スムーズにテスト・生産・交付の段階に入るとされている。中国の航空産業が、レベルアップの段階に入る発端となる。さらに重要なことは、C919の生産と交付に伴い、関連する航空産業の川上・川下が急発展し、華東・西北・西南・東北・中部の5大航空産業クラスターが発展し、1兆ドル規模の市場を切り開くことだ。
民間航空データによると、中国人の年平均搭乗回数は2015年末時点で0.32回に達し、10年間で167%増加した。ボーイング中国市場責任者のDarren Hulst氏は、中国の航空輸送市場は今後20年でさらに7000機以上を必要とし、世界初の1兆ドル規模の市場になると予想した。招商証券などの証券会社は、C919を含む客席160席クラスのナローボディジェット機の2030年までの需要は約1万4500機に達し、中国の需要は約2650機にのぼると予想した。中国商用飛機有限責任公司は、C919の販売数を2000機以上と見込んでいる。1機5000万ドルとして計算すると、C919の市場規模は1000億ドル以上となる。
C919は現在まで、世界23社から570機の注文を受けている。他にも航空用エンジン市場の発展にも期待できる。国家製造強国建設戦略諮問委員会が発表した権威ある報告書は、「今後10年に渡り国際市場では航空用エンジンの需要が旺盛になる。うちターボファン・ ターボジェットエンジンの世界の需要は7万3600台以上、価値にして4000億ドル以上となる。ターボシャフトエンジンは3万4000台以上(190億ドル以上)、ターボプロップエンジンは1万6000台以上(150億ドル以上)、ピストンエンジンは3万3000台以上(30億ドル以上)。中国国内の旅客機の、同機の大型エンジンの需要は6000台以上(500億ドル以上)。低空域の開放に伴い、汎用機の航空用エンジンの需要も拡大する」と予想している。