中国の大手不動産デベロッパー、北京城建集団は2014年、モルディブ空港公社との間で空港の改修・拡張事業契約に係る合意文書に調印した。
北京城建国際事業部の羅偉・副総経理によると、同事業は投融資+設計工事の一体化事業で、海の埋め立て、護岸工事、滑走路・駐機場の整備、貯油タンク・パイプラインの整備、滑走路灯の整備などの工事からなり、中国輸出入銀行が資金を提供する。
その多くが北京城建集にとって「初の工事」となるだけでなく、中国の建設企業にとっても「初の工事」となる。一方で工事を取り巻く状況は厳しい。航空機の運航に支障を来さないよう、工事は毎日0時~6時に行われるほか、空港のある島の土地をほぼすべて空港建設に用いているため、将来的に遠い駐機場として使用される建設用地を臨時駐機場として使用せざるを得ない。現地の物資不足も深刻で、建設資材も生活用品も周辺から調達するか輸入に頼るしかない状況だ。
だが、こうした厳しい状況にもかかわらず、「中国速度」と呼ばれる突貫工事のスピードが緩まることはない。昨年7月末に始まった海の埋め立て工事は今年5月時点でほぼ完了という速さだ。埋め立て容量は約540万立方メートルと、北京の頤和園にあるユネスコ世界遺産、昆明湖が2つ半入る大きさに相当する。さらにわずか2カ月間で800人を収容できる施設も完成させた。