2年余りに渡って検討されてきた石油・天然ガス改革がついに全面的に始動した。「経済参考報」の取材によると、中共中央政治局と国務院はこのほど、「石油・天然ガス体制改革の深化に関する若干の意見」(以下、「意見」)を発表し、8つの方面について改革の重点課題を示した。すべての産業チェーンと巨大市場を開放し、石油・天然ガス企業の混合所有制と専業化・再編を加速する。
「中共中央政治局と国務院が共同発表した石油・天然ガス改革方案は、非常に重要性が高い。改革は産業チェーン全体に及び、国有企業の混合所有制改革とも通底する。民営企業が石油・天然ガス開発やパイプライン網整備への投資、石油・ガスの輸入に深く関与できるような条件を整えることが狙いだ」。華創証券エネルギー・電力担当アナリストの王秀強氏が「経済参考報」の取材にこう答えた。華泰証券の試算では、産業チェーン全体で開放される市場規模は1兆元に上る見込みだ。
「意見」で提起された最重要課題は、石油・天然ガス開発体制の整備と秩序ある開放だ。事実、この方面の改革はすでに試行が加速している。2015年10月、中国石油ガス産業の川上分野で初めて公開入札を通じて資源の探査・採掘権が譲渡された。今年は29ブロックについて近く第2回目の入札が実施される予定だ。華泰証券の分析リポートは、「川上分野では民間資本の導入で市場を喚起、民営の石油サービス事業が活性化しつつある。」と指摘した。
川中改革の重点はパイプライン網の独立だ。「意見」は、国有石油ガス大手企業の幹線パイプラインの独立を段階的に進め、パイプライン輸送と販売の分離を実現する方針を提起。石油ガスパイプライン網への公平な接続システムを整備し、幹線パイプライン、省内・省間のパイプライン網が第三者市場に公平に開放されるようにする。王秀強氏は「この改革の目的は、石油ガスパイプラインの独占状態を打破し、国の管理下で複数の主体によるパイプライン企業を設立することだとみられる」と予想する。華泰証券の分析リポートも、「パイプライン網の独立を直接推進するのは難しい面も多いが、パイプライン網の分離には混合所有制改革のモデルを取り入れることが可能で、民営企業は1000億元市場を分け合うことができる見込み」と指摘する。