金価格は1カ月あまり上昇しているが、6日も引き続き上昇し、金チャートは最高1289.12ドル/オンスに達した。別の統計を見ると、金先物価格は5日に上昇し、翌取引日も高値となり、6週続けて高値を維持している。
金価格の上昇に対し、多くの業界関係者は国際情勢の錯綜する複雑性によるものと見ている。トランプ米大統領の「スキャンダル」が明るみになってから金価格は上昇し始めた。また、先週末にロンドンで発生したテロ事件、今週開かれる欧州中央銀行理事会議とイギリス総選挙は金チャートを動かす主な要因となる。
それだけでなく、近ごろの中東情勢も楽観視できない。バーレーン、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦、イエメンなどの中東諸国はカタールとの国交断絶を突然発表し、「黄金銭包」の肖磊チーフアナリストは「金上昇の原因の1つになる」と見ている。
肖磊氏によると、現在は金の現物購入の閑散季で、金価格の上昇は投資ニーズが高いことを示す。金は「心理的投資」商品で、リスク回避感情により投資ニーズが高まる。米ドルは5%以上も下落し、地政学的な矛盾が現れているが、金価格は数年前に下落し続けたため過小評価されている上に、投資家の資産配分ニーズの多様化により「必需品」になりつつある。金の基本面を見ると良好と言える。
金に投資すべきかどうかについては賛否両論ある。
外資系銀行のあるアナリストは、今年の金価格は小さな動きとなり、大きな変動はないと見ている。事件発生による金価格の影響はわずか数日で、長期的な上昇を支えることはできない。世界的なインフレが完全に回復しておらず、金の価値保持性も良くない。また、戦争を予測することは難しく、系統的なリスクによる通貨の代替性も存在しないという。
肖磊氏は、連邦準備制度理事会が今月、利上げを決定すれば金価格はやや下がる可能性があるが、利上げ後も引き続き上昇するとみている。また、「金に投資する場合は、下がった時点で購入するとよい」と提案したうえで、金はリスク回避商品であり金利もないため、価格を高く見積もりすぎてはいけないと注意を促した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月7日