それはなぜか。理由の一つはおそらく孫氏の打ち出すシェア自転車があまり便利でないことにある。日本で都市交通機関を利用すると最低運賃は5キロメートルまで約130円で、10キロ乗れば150~200円だ。孫氏のシェア自転車は最低料金が200円で、1時間ごとに200円が追加される。
中国と異なり、東京のシェア自転車は好きなところに駐輪できず、必ず指定された車庫の決まった自転車ラックに置かなければならない。もちろん、携帯電話のアプリでどこのラックに空きがあるかチェックすることはできるが、いっぱいなら別の空いているラックを探さなければならない。真面目な日本人は携帯電話を手に町中をうろうろと置き場所を探し回ることになり、車の駐車場を探す方がずっと簡単だ。
だが東京の街角ではシェア自転車の大群を見かけることはない。より重要な原因は、孫氏のシェア自転車が高いことでも、駐輪場が見つけにくいことでもなく、孫氏も直面する最もやっかいな問題で、事故が起きた場合に損害賠償をどうするかということにある。