メルケル首相の示した態度は、中国と欧州が「第15条」問題を適切に解決するための強大な推進力を注入した。一貫して中国と欧州は、互いに重要な経済・貿易パートナーであり、双方が多国間協力のなかで広範なコンセンサスと共同の利益を有する。EUは中国最大の輸出市場、かつ最も重要な外資と技術の導入源であり、中国市場はEU経済の回復と持続可能な成長にとって、同じように欠くことのできない重要な機能を発揮している。同時に、中国とEUはどちらも開放主義、多国間主義、経済グローバル化、貿易と投資の自由化・利便化を支持しており、気候反動や発展援助などグローバルなテーマに関する約束を真剣に履行し、G20がグローバルなテーマを牽引する機能の発揮を後押ししている。
つまり、EUが『中国のWTO加盟議定書』第15条の義務を履行することは、中国と欧州の双方だけでなく、全世界にメリットがあると言うことができる。英BBCは、米トランプ政権がオバマ前政権のグローバル外交政策を大きく調整した時、中国と欧州の首脳は共に、経済グローバル化と貿易・投資自由化を提唱する大戦略の方向性で一致した。EUのコアメンバーとしてドイツが「第15条」問題において立場を表明したことは、中国側への配慮ある回答であり、自由貿易を趣旨とする多国間貿易体系の尊重と、国際貿易規則を守ることも示し、開放型世界経済に大きく貢献する。今後、中国と欧州は共同で、メルケル首相の積極的な態度をEU全体の貿易政策に転化させ、中国と欧州の共同利益を増進し、世界経済発展を後押しできるよう努力する必要がある。(文:張茂栄 中国元代国際関係研究院世界経済研究所研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月9日