週刊ダイヤモンド(6月3日号)にフリージャーナリスト中島恵氏の「なぜ中国人はスマホ依存症にかかっているのか」という記事が掲載された。
「現金?出かけるときに持ってはいかないわ。春節のときに1000元下ろしたけどまだ300元以残っている。レストランでもコンビにでもスマホで払えるので、現金は必要なくなったの。それに財布の中を探すのが面倒くさいわ」四月に上海を訪れたとき、友人の王さんはこう私に話してくれた。
約1年前から中国の都市ではスマホ決済がごくふつうになってきた。その「キャッシュレス社会」へ変化するスピードは日本人には想像できないほどである。
中国でスマホが爆発的に普及し始めたのは2013年末である。それからわずか3年間。1000元以下の低価格スマホが登場し4G通信システムもスタート。スマホ本体の形も大きく変化し、さまざまな人気アプリが生み出されるようになった。多彩なスマホアプリは日常生活と不可分の関係にある。タクシーの不足している北京・上海ではタクシー呼び出しアプリは不可欠。公共料金自動引き落としアプリもある。売り場で並んだり、銀行に行ったり、遠くまで買い物にいく必要もなくなった。人口が多く、都市の規模が大きく、サービス業のレベルが異なる中国では、スマホがこれらの問題を解決してくれる。その便利さと手軽さは日本人の想像を超えている。