シェアリングエコノミーにより、利便性が大きく高まっていることは疑いの余地のない事実であるものの、どの地域にもそのスタイルがマッチするかということについては、まだ疑問が残る。自転車シェアリングを例にすると、日本にも現地の公共自転車などがあるものの、普及がそれほど進んでいないのにはいくつかの理由がある。例えば、日本の都市の公共交通機関は非常に便利で、地下鉄や路線バス、都市鉄道、電車、タクシーなどが、公共自転車に発展の余地を与えない。また、日本の地方都市や田舎の若者の多くは大都市でキャリアアップすることを望み、住んでいる人と言えば高齢者が多いため、公共自転車の普及は進まない。
また、日本は、大、中、小、どんな規模の都市でも、狭い道が多く、どこにでも自転車専用道路があるわけではない。そして、自動車教習所の指導員は、自転車との接触事故を避けるため、曲がる前にはできるだけ車を道路わきに寄せ、自転車が通れるスペースをなくすようにと教える。さらに、坂道が多い都市も多く、自転車をこぐのがたいへんという場合もある。
その他、日本では、自転車の放置に関する厳しいルールがあり、指定の場所以外で自転車を放置すると、撤去されてしまう。自転車を停める場所が見つからず、適当に放置してしまうと、罰則の対象となってしまう。現在、日本の公共自転車は、必ず指定の場所で借り、返却しなければならず、少し不便な面がある。東京や横浜などの大都市では、人が多く集まる場所は返却する人も多いため、指定の場所はすぐにいっぱいになってしまい、借りることができる場所はたくさんあるのに、返却する場所が見つからないというケースも多い。