中国のビッグデータの世界での立ち位置について、中国工業情報化部賽迪研究院ソフト研究所の潘文所長は、「ビッグデータ産業は新興産業であり、中国は世界各国と同様、ビッグデータの発展でスタート段階にある。ランキングを決めるのは難しいが、中国はデータ収集・応用にリードしているが、データ処理のコア技術ではまだ差がある」と述べた。
ビッグデータ強国については基準となる指標がないものの、企業というくくりで世界を見渡すと、アマゾン、SAP、グーグル、IBMなどの海外企業が世界をリードしている。
運満満研究院の徐強院長は、「世界の国によってビッグデータの長所は異なっており、統一基準で優劣を決めることは難しい。例えば、日本は医療・交通面で優れており、欧州はデータ保護で世界をリード。シンガポールは電子行政で秀でている。米国はビッグデータコア技術ではリーダーだが、スマート物流・モバイル決済などの垂直応用分野では中国に敵わない」と話す。
ビッグデータ産業の一番のコアはデータ分析サービスである。世界では全体の売り上げの47.6%を占める。ただ中国国内ではそれほど高くはない。基本ソフトの導入段階にあるためだ。その対比からみると、中国では急速に成長しつつあるものの、まだスタート段階にあるといえる。
ビッグデータのコア技術で世界の先頭を走っているのは、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなどである。各国とも自国のデータコントロールの強化につとめている。データ主権という考え方である。データはネットワークによって広がりやすいためだ。しかし中国はこのデータ主権保障能力が明らかに不足している。