エネルギー世界大手の英BPが上海で発表した最新の「BP世界エネルギー統計2017(BP Statistical Review of World Energy 2017)」 によると、2016年の世界再生可能エネルギー発電量(水力発電除く)は、前年比で14.1%(5300万石油換算トン)増加し、過去最大の伸びを示した。うち、中国は米国を抜いて、世界最大の再生可能エネルギー生産国となった。
世界最大のエネルギー消費国として、中国は世界のエネルギー構造最適化のプロセスで最も重要な推進力となった。2016年末の時点で、中国の風力発電と太陽光発電の累計設備容量はいずれも世界首位となっている。
「中国はアメリカを抜き世界最大の再生可能エネルギー生産国になった。これは昨年起こった最も新しい変化だ」。BPチーフエコノミストのスペンサー・デール氏は「中国は世界の再生可能エネルギーの発展加速をけん引している。2016年、世界の再生可能エネルギー成長への中国の寄与度は40%に達し、経済協力開発機構(OECD)加盟国の合計を上回った」と指摘した。
BPエネルギー統計によると、中国は世界の水力発電、原子力エネルギーで主な成長の源泉になっている。2016年、世界の水力発電量は前年比2.8%(2710万石油換算トン)増加したが、ここでも中国の寄与度が40%を超えている。また、2016年の世界の原子力エネルギー生産量は前年比1.3%(930万石油換算トン)増加したが、中国の原子力エネルギー生産量伸び率は24.5%(960万石油換算トン)に達しており、世界の原子力エネルギー生産の成長源は中国ということになる。
デール氏は、「中国の原子力エネルギー産業の発展は世界が注目している」と指摘する。「経済や政治的要因を考慮し、欧米などは原子力エネルギーの発展ペースを鈍化させ、原子力エネルギー生産量は低下しつつある。一方で、これらの不足分は中国が補っている。技術面でのブレークスルーを遂げ、中国は第三世代原子力発電技術を強力に推進しており、安全性も向上している。今や、中国の原子力エネルギー産業の発展は群を抜き、クリーンエネルギーのモデル転換で大きな役割を果たしており、今後も他国の模範となる見通しだ」という。