米フォーブス誌は15日、「AIIB、中国の新シルクロードにおける真の役割」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)と「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)イニシアチブは、同じ体の2本の腕のように見えるが、実際には絶対にそうではない。AIIBの関係者は「私たちもよく、一帯一路のプロジェクトが目の前にあれば、投資するだろうかとよく問題視する。それが一帯一路のプロジェクトでなくても、投資の可能性はある。一帯一路は中国による、アジアの相互接続を促進する提案だ。AIIBの任務は、インフラを利用し地域の経済発展を促進することだ。自ずと重なる点があるが、双方はそれぞれ独立している」と話した。
中国がAIIBを開業した当時、これは世界の多くのインフラ建設で新たな攻勢を仕掛けるための資金調達手段であり、世界銀行やアジア開発銀行などの伝統的な開発銀行の競争相手になるとされていた。しかし実際には、アジアのインフラ発展には、巨額の資金が必要だ。世界銀行などはアジアでも積極的に事業展開しているが、実際の需要を満たすには程遠いことが問題だ。AIIBは中国による「私たちも一つ作ってみよう」という事業ではなく、アジアの発展にとって非常に必要なものであることが、すぐに明らかになった。国際社会も反応を示した。AIIBの加盟国は80に達し、中には米国と関係の強い英仏独が含まれる。上述した関係者は「この銀行は中国が提唱したが、実際にはアジアのすべての国のため設立された」と指摘した。
当初はAIIBが緩やかな環境と社会基準により伝統的な銀行の力を弱め、アジアのインフラ発展の舞台から押し出すことを懸念する声があった。しかし多くの欧州諸国の加入により、世界銀行に準じる環境・社会・エネルギー基準が担保され、そのような可能性は失われた。