▽日本企業が建設に関わった海上大橋 完成以前に品質の問題が発覚
ベトナムメディアの報道によると、この「ラックフェン国際港建設事業」と呼ばれる大型海上橋プロジェクトは、ベトナム北東部ハイフォン市で進められている2大インフラ建設プロジェクトのうちの1つだ。
日本政府が出資しただけでなく、日本工営株式会社や株式会社日本構造橋梁研究所も設計に関わり、三井住友建設とベトナム現地企業2社が共同で施工を担当している。
三井住友建設が施工を担当
もともとこの橋は今年8月に開通するはずだった。東南アジア地域最大の海上橋となり、6車線、時速80キロメートルで自動車の走行が可能なはずだった。だがこのほどベトナム国家検査引取委員会の検査を受けたところ、工程に品質上の問題があることが発覚。具体的には、路面の一部で平坦性が基準に達していない、橋面の接合部分に不具合がある、路面の一部のアスファルト舗装にむらがある、両端部分に予測を上回る沈下がみられるといった問題があるとされた。
ラックフェン国際港アクセス橋梁
品質がこのような状態で予定通りに開通できるのだろうか。問題発覚の情報が伝わると、ただちにベトナム政府が高い関心を示した。ベトナムメディアによれば、ベトナム交通運輸省の阮文聡副大臣は14日にチームを引き連れて施工現場の検査を行った。施工側の説明によると、この橋の工事には確かに一連の技術的な欠陥があるが、工事全体の質や安全性に影響を与えるものではないという。その後、阮副大臣はメディアに対し、「あらゆる情報を確認し、工事の質を保証する」と述べた。
ベトナム交通運輸省の関係者が海上橋建設プロジェクトを視察