ライドシェアリングが、中国の交通事情、旅のスタイルを大きく変えつつある。そして今また、世界進出に向かって踏み出した。
中国の自転車シェアサービス「Mobike(モバイク)」は25日、フィレンツェとミラノへの進出を発表した。同社の海外進出は、シンガポール、イギリス、日本に続いてイタリアが4カ国目となる。
自転車シェアリングは中国企業の海外進出の1つの手本となった。中国国内で、ライドシェアはシェアリングエコノミーで最も活発に発展している分野の1つだ。第一財経商業データセンター(CBNData)が26日に上海で発表した「2017中国ライドシェア産業リポート」(以下、CBNData報告)によると、中国の潜在的なライドシェア市場規模は1.8兆元に達する見込み。その潜在力と商機は驚異的で、ライドシェアは「黄金時代」に向かって歩み始めた。
CBNData報告によると、2018年までに中国のライドシェア市場規模はカーシェアリングだけで660億元から3800億元に成長する見込み。市場規模100億元以上にのぼる自転車シェアリングは含まれていない。
路線バスや地下鉄のような一般の公共交通と比べ、◇自転車シェアリング、◇時間単位のカーシェアリング、◇リアルタイムの配車システム――、といった3つのライドシェアのスタイルがいろいろな局面で中国の既存の都市公共交通を補完している。
ライドシェアリングは消費者にとって、時間・金銭・労力の節約になる。「資産軽量化」という考え方の影響で、人々の旅のスタイルは「1台の車ですべての場所へ出かける」から「出先で最も理想的な手段を選ぶ」というスタイルに進化している。ライドシェアリングの推進は、都市交通の質の向上、輸送力の向上、渋滞緩和につながり、中国経済の成長けん引、雇用改善、所得向上、国民消費促進にポジティブな影響を与える。