中国市場のポテンシャルは無限 世界のスマートホーム産業の台頭は、中国市場の発展も促している。業界の40年近い起伏を経て、今や中国は堂々たる家電大国になっている。しかし、「家電強国になる」という目標を達成するために、スマート化は避けることのできない関門である。
国務院は先ごろ、「新世代のAI発展計画」を発表した。中国で最初の国家レベルのAI発展中長期計画である同文書は、AIを核心とする産業を2020年までに1500億元規模、関連産業で1兆元規模以上に引き上げるとしている。また2025年までに、新世代AIをスマート製造、スマート医療、スマートシティ、スマート農業などの分野で広く応用し、AIを核心とする産業を4000億元規模以上にするという。
AIの発展は、必然的にスマートホーム産業も迅速に発展させるだろう。良好な発展見通しと政策環境の下、スマートホームは中国家電業界でも注目されている。ハイアールや美的といった大手家電メーカーから、ファーウェイや百度などIT企業が、続々とスマートホーム産業に参入している。
先進諸国と比較して、中国のスマートホーム産業はスタートが遅れている。しかし巨大な市場ニーズから、最大のポテンシャルを持ち、最速で成長する産業となっている。「易観シンクタンク」のデータによると、2018年までに中国のスマートホーム産業は1800億元規模になり、大量の資本投入と企業参入が予想されている。市場は百家争鳴の局面を迎えそうだ。
その反面、中国のスマートホーム産業には欠点も少なくない。たとえば技術面である。核心となるアルゴリズム、キーデバイス、ハイエンドチップなどにおける革新的成果は比較的少ない。またスマートホーム産業の急速な発展に応えられる人材の蓄積も少ないのが現状だ。
さらに重要な問題として、中国のスマートホーム産業はいまだ「コンセプト営業」の段階に留まることが挙げられる。実際、本物のスマートホームはひとつの「システム工程」といえる。一部の家電や家具のスマート化だけでは全く足りず、シームレスな体験こそが必要とされる。それは、これまでの中国家電産業の、冷蔵庫やテレビなど単一製品で天下を取るモデルを覆す動きだ。そう考えると、中国のスマートホーム業界の道のりはまだまだ長いといえるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年8月13日