独ラジオ局「ドイチェ・ヴェレ」ウェブサイトは9月4日、「輝かしい未来を持つ鉄道交通――少なくとも中国は」と題する記事を掲載した。中国政府の計画によれば、中国の高速鉄道はアジアに向かおうとしている。9月21日、最新型「復興号」による全長1300キロの北京-上海線の運行が始まった。これにより、北京-上海が1時間短縮され、4時間半で行けるようになった。それに対し、ドイツの高速鉄道ICEによるハンブルク-ミュンヘンの路程は北京-上海の半分でしかないのに、約6時間かかる。
中国高速鉄道は現在、時速350キロである。これより速い長距離列車は存在する。たとえば東京から名古屋までのリニア中央新幹線の最高時速は603キロだ。しかし完成までに10年もかかる上、時速も試験段階の速度である。
中国が高速鉄道を保有してからすでに長く経つ。首都の北京と上海を結ぶ路線は、全国で最も重要な高速鉄道路線である。2011年に運行を開始して以来、累計で6.3億人の乗客を運んでいる。1年平均で1億人以上となる計算だ。2016年、同路線の営業利益は10億ドルに達した。
従来の先進工業国の水準に中国が追いつくのは簡単ではなかった。わずか2016年の1年間で中国は、高速鉄道の発展のために1180億ドル以上を投資している。現在の5カ年計画によると、高速鉄道の発展のために5000億ドル以上を投資する予定だ。
現在、中国高速鉄道網は2.2万キロ以上に達する。世界の高速鉄道の約3分の1を占める規模だ。中国は2020年までに高速鉄道の総距離を3万キロにする計画を立てている。高速鉄道路線が中国全土くまなく覆うようになれば、百万人以上の都市の80%が高速鉄道につながることになる。