中国人民銀行(中央銀行)が7日発表したデータによると、今年8月末の外貨準備高は7月末比で108億ドル増(0.4%増)の3兆915億ドルとなり、7カ月連続で増加した。最近は元高が進行しており、7日にはオンショア人民元対米ドルレートが1ドル=6.50元という分水嶺を突破し、公式データとしては昨年5月3日ぶりの元高となった。
中国のクロスボーダー資金流動と外為市場の需給は、8月もバランスを維持した。国際金融市場において、資産価格がやや上昇し、外貨準備高の拡大を促した。
国家外貨管理局の責任者によると、中国経済は今年に入り安定しつつ前進しており、構造調整が掘り下げられた。主要指標が予想を上回り、マクロ経済の安定性が高まっている。国際金融市場は相対的に安定し、クロスボーダー資金流動情勢が安定しつつ好転している。外為市場の需給がバランスを取り、人民元レートがほぼ安定している。
人民元は8月、米ドルに対して約2%の元高となった。これは外貨準備高が拡大した主因とされている。中国金融四十人フォーラムの管涛高級研究員は「為替は一つの要因に過ぎない。外貨準備高が増加を続けているのは、国内経済の安定化、持続的なドル安といったファンダメンタルズの要因のほか、中国金融政策の穏健・中性への転向、中米金融政策の差の縮小といった政策の影響がある。また中国はクロスボーダー資本流動の管理を強化・改善し、流入を奨励し、流出を調整している。対外投資が理性的になり、資本流出が和らぎ、国際収支状況がさらに好転した」と分析した。