中国の多用途船「天健」が11日にベーリング海に入り、正式に北極の北東航路に沿い、デンマークのエスビャウ港(欧州で最初の目的地)に向かった。近年の地球温暖化により北極の海氷が溶け、北極航路が注目を浴びている。
マラッカ海峡は多くの重要国際航路の「喉」になっている。ベーリング海峡は北極航路の重要な出入口、太平洋と北極海を結ぶ唯一の海上航路だ。北東航路、北西航路、中央航路のどれを取っても、ここを通過する必要がある。北極航路は将来的に遠洋航路の「黄金の航路」になるのだろうか。ベーリング海峡は「北方のマラッカ」になるのだろうか。
北極航路はアジア・欧州・北米の経済・貿易交流において、独特な強みを持つ。北東航路はスエズ運河を経由し欧州に向かう伝統的な航路よりも、時間と航行距離を約3分の1短縮できる。燃料などのコストを大きく削減し、航行期間を短縮し、排出を削減できる。北西航路は東アジアと北米大陸東海岸を結ぶ最も便利なルートであり、同じく期待されている。北極点付近を貫く中央航路も、航空業界内で話題になっている。
近年、北極の北東航路を行き来する商船が増加傾向を示している。ロシア北極物流センターのデータによると、2016年に北東航路を航行した船舶は297隻で、前年比35%増となっている。マラッカ海峡とスエズ運河を経由する船舶の数と比べれば、この数字は微々たるものだが、業界関係者は今後も増加を続けると予想している。