航路の輸送力を見ると、業界関係者は北東航路の航行可能期間が、現在の約3カ月から2030年には約半年になると見積もっている。アジア・欧州間の貿易全体の4分の1が、北東航路を通じ行われる見通しだ。
貨物輸送を見ると、地球温暖化と科学技術の急発展により、北極の豊富な油ガス資源の探査・開発・利用が可能になり、東アジア・欧州・北米の貨物輸送に新たなチャンスをもたらす可能性がある。一部の業界関係者は、太平洋と北極海を結ぶ交通要衝のベーリング海は、「北方のマラッカ」になる潜在力を持つと判断している。
当然ながらそうなるためには、北極航路を海運高速道路にしなければならない。これは北極の特殊な気候環境の制約と、世界経済などの影響を受ける。この航路を1年に渡り使用できなければ、世界的な航路としての経済的意義を備えるのかと疑問視する声もある。
しかし人類による北極航路通過の模索は数百年も続いており、21世紀初頭になりようやく商業航行の時代に入った。一部の業界関係者が指摘するように、北極の「黄金の航路」を一挙に切り開くことはできないが、ありえないことでもない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月12日