低価格戦略は続くか
現段階でコストコの価格優位性は目立っていないが、将来的に実店舗はこのような形式でECと競争を繰り広げるとみられる。低利益率という状況の中、コストコは会員制という方法で利益を得ている。コストコが会員制をとるのは集客のためで、低価格で消費者を会員にするという戦略である。米国でコストコを利用したければ、まず会員にならなければいけない。60ドルまたは120ドルの年会費を払えば会員になれ、医療や身分証に相当するサービスも受けられる。
あるアナリストは、コストコは中国の国情に合わせて適度な調整を行うが、会員制は同社の成功のトレードマークであるため、基本スタイルを大幅に変えることはないと見ている。しかし、中国市場の特殊性を考慮し、コストコは微調整を行う可能性がある。ライバルのウォルマートとカルフールは中国市場進出後に適度な調整を行い、カルフールは大幅調整を行った。具体的な状況は中国市場を見る必要がある。同アナリストは、「コストコのスタイルは中国でも通用するだろう。中国の小売市場の経営方針は変化し始め、中国人消費者は新しいスタイルを受け入れる傾向にある」と話した。
北京財貿職業学院の王成栄院長も、「コストコは収益方式の調整だけでなく、将来的にウォルマートなどのスーパーから圧力をかけられる可能性もある。ウォルマートは中国に進出して21年で、サプライチェーン、販売戦略などが確立しており、そのような環境でコストコは試練に直面するだろう。しかし、中国の小売業は改革段階にあり、誰が主導権を握るかはわからない。北京や上海などの大都市の消費者はコストコの会員制を受け入れるだろう。これは一部の消費者のハイエンド消費という心理を満たす」との見解を示した。