国際通貨基金(IMF)は10日、最新の世界経済見通しを発表し、世界経済は今年3.6%、来年3.7%成長すると予想した。
IMFの報告書によると、世界経済の回復傾向が強まっている。これは世界範囲の投資、工業生産、消費者信頼感などの改善に示されている。IMFはこれに基づき、成長率の予想を上方修正した。IMFは今年4月に発表した報告書の中で、今年と来年の成長率を3.5%、3.6%と予想していた。
モーリス・オブストフェルドIMFチーフエコノミストは10日、IMF本部で開かれた記者会見で「世界経済は現在、成長の流れが極めて顕著だ。これほど広範な経済回復は、2010年に入り初めてだ」と述べた。
地域別に見ると、米国、ユーロ圏、日本などの先進経済体、中国、ロシア、ブラジルなどの新興経済体の今年の経済成長率は、予想を上回る。うち米国は今年2.2%、来年は2.3%に達する。中国は今年6.8%、来年6.5%。
報告書はまた、世界経済の回復はまだ終わっておらず、多くの国の経済成長が低迷を続けており、先進国の物価上昇率が低水準に留まっていると警鐘を鳴らした。また労働者の高齢化にも注意が必要だ。
オブストフェルド氏は10日「各国政府は景気回復の初期段階に成長の動力の掘り起こしを続け、発展の成果をより広く共有できるようにすると同時に、景気低迷へのリスク対応能力を高めるべきだ」と強調した。
オブストフェルド氏は中国経済について「中国は今年上半期に力強い経済成長を実現したが、これは中国政府による拡張的な政策によるものだ。また中国政府も、信用貸付が成長をもたらすと同時に、潜在的なリスクももたらすことを意識している。中国は経済モデルチェンジを続ける一方で、債務と信用貸付の急激な拡大を抑制すべきだ」と提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月11日