習近平総書記は、中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)報告で、「長きに渡る努力を通じて、中国の特色ある社会主義は新時代に入った」とし、「中国社会の主な矛盾は、人民の日増しに増大するすばらしい生活への需要と不均衡・不十分な発展の間の矛盾に変化した」と指摘した。
第19回党大会報告で提起された「新矛盾」は、「人民の日増しに増大するすばらしい生活への需要」を出発点とし、経済・社会・自然の3つのシステムの調和的発展の関係性を示す。それはまた、公平性・持続可能性・共通性など現代経済発展の基本原則を内包し、現代経済発展の全体的な方向性を示す。同時に、「新矛盾」という判断は、中国の特色ある社会主義が一定の段階まで発展したことを総括したうえで、中国の今後の経済発展の道筋と発展目標をも反映するもので、画期的な意義がある。
実際に、第19回党大会報告で提起された「新矛盾」は伝統的経済学に修正を加えるだけでなく、豊かな意味合いを持っている。
「新矛盾」は人々の欲求を描写し、元来の物質・文化両面の欲求からより良い生活への欲求まで、エンゲルスの欲求3段階理論すなわち「生存、享受、発展」など多方面にわたる欲求を表す。「日増しに増大するすばらしい生活への需要」の内容は非常に豊かなもので、経済、政治、文化、社会、生態など多岐に渡る。物質的・文化的生活にさらに高い要求を突き付けるだけでなく、民主、法治、公平、正義、安全保障、環境などをめぐる人々の日増しに高まる欲求をも含んでいる。