さらに、もっと広い視点から考えると、日本の技術に対するこだわりは、資本の支持を得ることができていない。技術は技術で、資本は資本、資本をサポートとしたイノベーションはなく、単に技術を磨くという状態では、往々にして効率を大幅に向上させることはできない。特に、新しい産業を生み出すことはできない。それに比べて、米国人は、職人の精神を崇めているわけではないものの、インターネット、スマートフォンなどを典型的な例とする新しい業界を生み出すことに長けている。また、中国は、投資という手段で、産業のモデル転換、高度化を続け、効率は急速に向上している。
この点から見て、日本の製造業には、製造業とは別の面に問題があると言えるだろう。日本の国内の資金利回りが低下し、日本企業の投資資金が減り、利益が目減りすると、日本のベンチャーキャピタル体制、金融体制も、イノベーションの機会を十分な速度で掘り起こすことができなくなる。マクロな面では産業のモデル転換、高度化のスピードが鈍化し、ミクロな面では企業の競争力が必然的に低下してしまう。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年11月3日