エアバッグの爆発で多くの消費者を負傷させ、多くの自動車メーカーによる広範囲のリコールを起こし、破産申請を迫られていた日本のタカタ社にこのほど、新たな引き受け手が現れた。
外国メディアの報道によると、寧波均勝電子傘下の子会社「Key Safety Systems Holdings, Inc.」(KSS)は米国ですでに、タカタ買収に関する文書を提出した。取引価格は15億8800万ドルとされる。
均勝電子は11日、これに関する合意はまだ交渉段階にあり、取り引きにかかわるすべての合意が署名されて初めて、買収合意は成立すると発表している。
エアバッグ業務は分離
データによると、タカタの「欠陥エアバッグ」によって引き起こされた車両のリコールはこれまでに、世界で1億台を超える。このうち中国市場でリコールされた車両は2200万台で、関連する自動車メーカーは28社に達する。リコール実施回数は100回を超え、かかわる車種も100車種を超える。
同時に量が大きすぎることから、多くのメーカーが分割リコールの方式を取っており、タカタの「欠陥エアバッグ」の回収作業はまだ終わっておらず、リコール作業は2019年までかかるものと見られる。タカタのある債権者は、リコールの費用と多くの訴訟の重い負担にタカタは耐えられなくなっており、同社の負債は300億ドルを超えている。
記者の調べによると、均勝電子は今年6月26日にはすでに、KSSはタカタと資産買収の了解覚書を締結する方針で、取引総額は15億8800万ドルに達すると発表していた。均勝電子は11月4日、同社が国投創新投資管理有限公司と4億ドルを共同出資し、KSSに対する増資を行う予定であることを発表した。この動きも、KSSの世界でのM&Aのために流動資金を補充するためのものと見られていた。
だが注目すべきなのは、6月26日の発表によれば、今回双方が達成した買収の意向は、タカタの硝酸アンモニウムガス発生器業務(「PSAN業務」)以外の資産を対象としていたということだ。つまりタカタの「欠陥エアバッグ」の関連業務は排除されている。
市場シェア拡大ねらう
あるアナリストが記者に指摘したところによると、タカタの自動車産業での地位を考えれば同社が消失することはなく、均勝電子はそのブランドと生産能力を評価して買収を決めた。買収の終了後に特許と技術を移転して得られる価値は、買収での支出をはるかに上回るものとなる。
乗用車連合会の崔東樹事務局長は、中国企業が海外に展開できるということは、良好な発展傾向を示すものだと指摘する。崔事務局長の見るところ、「16億ドルで日本企業を買収できるなら割に合う」。均勝電子は、今後の運営においては、タカタのエアバッグ業務のリスクとの有效な隔離を確保すると強調している。
だがあるアナリストが匿名で『証券日報』記者に語ったところによると、グローバル企業を引き継ぎ運営することは、想像されるような簡単なものではない。まずタカタは多くの国で業務を行っており、取引の交渉過程は非常に複雑なものとなる。さらに新会社は新たな法人であるため、タカタのリコール問題での債務を引き受けることはないが、買収の終了後、リコール事件がもたらしたマイナス影響をいかに打ち消すかは、KSSと均勝電子にとってすぐにでも解决しなければならない難題となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月14
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