阿里巴巴(アリババ)の新小売産業における版図がさらに拡大した。アリババ集団、フランスのオーシャン・リテール、潤泰集団は20日、新小売分野の戦略的協力を締結したことを明らかにした。アリババが約224億香港ドル(1香港ドルは約14.4円)を出資して、傘下の小売企業・Sun-ART Retailの株式の36.16%を直接的・間接的な手段で保有することになった。「北京晨報」が伝えた。
Sun-ART Retailは中国最大規模の大型小売店舗運営企業で、オーシャン(欧尚)とRT-MART(大潤発)の2大ブランドの店舗446ヶ所を全国で展開する。
今年2月には、RT-MARTの「身売り」のうわさが広まっていた。
小売産業界で、RT-MARTは「陸戦の王」とたたえられている。1997年に裸一貫から身を起こした黄明端氏が大陸部と台湾地区で量販店をオープンしたことに始まり、やがて両岸をまたがる一大チェーンに発展した。2016年の売上高は1千億元(1元は約17.0円)に上り、国内小売産業における市場シェアは長年トップの座を保っている。
新小売戦略の推進に伴い、アリババはこれまでにデパートの銀泰商業、家電量販の蘇寧雲商、スーパーの三江購物、小売大手の百聯集団といった既存の小売産業と全面的な協力関係を結び、生鮮スーパー・盒馬鮮生などの新業態を生み出してきた。
アリババによると、「弊社は新小売モデルの開放によりすべての小売協力パートナーにエネルギーを付与し、オンラインとオフラインの融合やビジネスのインターネット化の全面的バージョンアップを推進したいと考えている。今年5月には、三江の多くの店舗でデジタル化への改良が完了し、7月にはオンライン取引額が店舗全体の取引額の25%を超えた。大勢の新会員を獲得しただけでなく、以前からの会員の取引額も18%増加した。天猫(Tmall)の『ダブル11』(11月11日のネット通販イベント)期間には、全国のコア商圏52ヶ所と百聯、銀泰などの従来型小売の代表的企業が天猫の新小売・スマート店舗に全面的につながるようになり、蘇寧の路面店も天猫と提携してビッグデータ消費リストを打ち出してオフライン消費の手引きにした」という。関係者は、「Sun-ART Retailとの提携は規模がさらに大きく、カバー面がより広いシステム的な業態の改善に着手することを意味する。たとえば今後はRT-MARTやオーシャンで淘宝(タオバオ)の在宅サービスプラットフォームやオンラインプラットフォームが利用できるようになり、データや総合システムやPOS端末などの共有が可能になる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年11月21日