「経済参考報」の天津、上海、浙江、広東等での調査によると、年初より中国経済が安定に向かい、世界経済が回復するのに伴い、中国の対外貿易の発展を取り巻く環境は顕著に改善した。2017年1-9月期の中国の輸出総額は前年同期比で12.4%増加し、当初の安定化目標を実現した。世界で貿易戦争のうねりが逆巻くなか、中国と「一帯一路」沿線国・地域との貿易取引は益々盛んになっている。業界関係者はこれについて、「反グローバリゼーション」の圧力を力強く阻止したとの見方を示した。
統計によると、17年1-10月の中国貨物貿易輸出入総額は22兆5200億元で、前年同期を15.9%上回った。うち、輸出は11.7%増の12兆4100億元、輸入は21.5%増の10兆1100億元だった。
中国の対外貿易は回復と同時に貿易構造も改善している。17年1-9月期の中国一般貿易輸出入総額は前年同期比18.1%増の11兆4900億元と、輸出入総額全体の56.6%を占め、その割合は前年同期から0.7ポイント拡大した。中国社会科学院世界経済政治研究所国際投資研究室の張明主任は、一般貿易の存在感が増したことで、中国の輸出は外部環境が揺れ動くなかで一段と活発になる可能性があると指摘。また年初には、外需回復を受け、外資系企業の輸出が先行して増加、民間企業の輸出も第2四半期から増加傾向を示した。
注目すべきは、中国と「一帯一路」沿線国の貿易取引が対外貿易の成長の焦点になったことだ。
17年1-9月期、中国と一部「一帯一路」沿線国との輸出入は急速に伸びた。「一帯一路」沿線国を対象とした輸出入は20.1%増加し、輸出入全体の伸びを3.5ポイント上回った。うち、対ASEANは19.2%、対インドは25.9%、対ロシアは27.7%、対中央アジアは23.6%増加し、グローバル貿易の大きな焦点となった。