第三に、現代経済システムは、質と効率を追求しなければならない。第19回党大会報告は、2050年までの中国の発展戦略として「両足走(ツーステップ)」の戦略を定め、中国が経済成長を追い求めることで、社会全体の福利を向上させ、経済成長がもたらす生活の改善と質の向上を社会全体が享受する必要があると強調した。つまり、介護、健康、医療、教育など国民生活と密接に関わる産業の発展が必要だ。
第四に、中国が構築しようとする現代経済システムは、市場化され、相互の競争があり、開放されている必要がある。中国は、計画経済時代に回帰することを望んでいない。計画経済には何のメリットもない上、経済の活力を大きく削いでしまう。中国経済が開放へと向かってグローバル経済との一体化が進めば、世界経済の重要な一部となる。中国経済は今後、グローバル経済に対し、ある種の牽引作用を持つことになる。
第五に、現代経済システムのなかで基礎的な作用を起こすのは、現代製造業と現代装備業に代表される実体経済だが、中心的な作用を起こすのは現代金融システムとなる。現代金融システムが中国の現代経済システムのなかで及ぼす作用は、過去のどの時期よりも重要となる。現代金融システムの中心は、リスクの分散と管理で、実体経済と金融リスクが合理的に配分される状態をつくり、これが中国経済の持続的な安定成長とリスク引き下げを促進する。
今後、現代経済システムの構築が順調に進めば、中国経済の持続可能な成長実現を大きく支える見通しだ。(文:中国人民大学副校長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月28日