かつてフランクフルト証券取引所とパリ証券取引所がロンドンに戦いを挑んだことがあった。中国からの投資を得ることで、ロンドンが持つ世界金融センターの地位を奪おうと考えたのだ。
ロイター通信によると、上海とロンドンの相互接続の交渉は2年前から始まった。しかし途中で「イギリスの脱欧」という“アクシデント”があったため、交渉の進捗は一時期遅れていた。
しかしイギリスが脱欧に動いたことで、資本市場での中国との連携は、イギリスにとってさらに重要になった。脱欧によって世界金融センターの地位が脅かされかねないからである。特にロンドン証券取引所はザビエル・ロレットCEOが突然辞職してからリーダー不在の状態にあり、今回のような積極的ニュースの発表は“カンフル剤”の役割を果たしている。
中国から見れば、上海証券取引所がロンドンとつながることは、重要な里程碑となる。中国政府が金融改革に取り組むという約束は、すでに国際的な信認を得ている。モルガン・スタンレー・ファンドは、来年から中国A株をMSCIインデックスに組み込むことを正式に表明している。