エチオピアの首都アジスアベバ近くにあるイースタン工業ゾーンは、中国にとってエチオピア国内唯一の国家級海外経済・貿易協力区で、「一帯一路」がアフリカへ向かったものでもあり、中国・アフリカ生産能力協力のシンボルとなるプロジェクトとして、エチオピア経済の発展やアフリカの工業化プロセスに対し大きな役割を発揮し、広範な注目を集めている。
アフリカにとっては、単一的な輸出構造の改変、自身の工業化と現代化の実現、若年労働力が充足する人口アドバンテージの発揮、工業製品を輸入に頼る状況の解決をどう進めるかが、実際の具体的な問題で、国の将来的な経済発展の長期計画に影響する。特に、エチオピアのように人口が多い農業国は、資源輸出により経済・社会発展の需要を満足することができない。労働集約型産業の発展を軽工業から始めることは、以前から現地の有識者が声を上げていた。
「一帯一路」と中国・アフリカ生産能力協力政策の後押しで、中国企業がはるばる海を渡ってエチオピアで工業パーク建設の第一歩を踏み出し、その数は最初の数社から82社に増えた。当初の衣類・靴製造など来料加工による単一的な生産が、紡績・服装、セメント生産、自動車組立、食品、薬品などの多様な業界へと広がった。今では1万を超える現地就業ポストを創出し、エチオピア政府と国民の協力のもと、イースタン工業ゾーンは、中国・アフリカ生産能力協力試験区として足場を固め、今後のアフリカでの工業パーク建設、管理、生産能力協力に資する貴重な経験も蓄積した。