大手企業の相次ぐ不祥事に揺れる日本の製造業。不祥事ばかりか、この2年ほどの間に中国企業による日本の大手メーカーの買収も相次いでいる。美的集団(マイディアグループ)による東芝白物家電事業の買収や鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープの買収、レノボによるNECパソコン事業の買収など、枚挙にいとまがない。こうしたことから日本のモノづくり神話は崩壊し、衰退に向かっていると考える向きも多い。では、日本の製造業は実際にはどうなっているのだろうか。
専門家は、日本の製造業は今なお世界トップレベルにあるとした上で、「欠けているのは技術力ではなく、あくまでビジネスモデルだ」と指摘する。
キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹、瀬口清之氏は、「日本とドイツは世界の2大技術大国であり、これを凌ぐ技術力を有する国は存在しない。米国ですら日本と真っ向から勝負したら、製造業ではまず敵わないだろう」と語る。