勿論、日本の製造業に問題がないというわけではない。日本の某シンクタンクのアナリストは匿名を条件に次のように語った。
「ここ数年でフィンテックが急速に脚光を浴びているが、中国はこの分野で日本の遥か先を行っている。決済サービスの支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイ)をみてもわかるように、もともと中国発ではないこうした技術を如何に中国市場に合わせるかに腐心してきた。これに対し、日本の企業は技術力はあるのに、ビジネスモデルが上手く構築できていないため、せっかくの高い技術力が真価を発揮できていないのが現状だ」
「日本の製造業も同様の問題を抱えている。国内の消費者のニーズに応えることや質の高いサービスを提供することばかりに研究開発の重点を置き、海外市場のニーズや動向を捉えることを疎かにしてきた。このため高コスト体質となり、国際競争力の低下を招いた。日本の携帯電話などは、かつては世界をリードしていたが、日本人のニーズだけに合わせた海外では必要のないような機能もある。そのためコストが嵩み、発展途上国をはじめ海外市場に打って出ても競争力が発揮できなかったわけだが、これもビジネスモデルの問題といえる。日本の製造業は市場リサーチが足りず、市場のニーズにあまり敏感でないのではないか」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年12月27日