一部の海外メディアはドッキング目標機「天宮1号」を喧伝の標的としている。天宮1号がすでに制御不能となっており、今後地球に衝突し、地上環境及び安全を脅かすというのだ。このような説が唱えられるのは、今回が初めてではない。
中国航天科技集団第五研究院空間実験室システムチーフデザイナーの朱樅鵬氏はこれを否定した。朱氏は先ほど科技日報の記者に対して「中国は天宮1号のモニタリングを続けており、今年上半期には墜落させる予定だ。大気圏突入後に燃え尽き、残骸は指定の海域に落下するため、地上に被害が生じることはない」と話した。
天宮1号が制御不能になったという説に根拠はなく、中国有人宇宙事業弁公室は現在もその軌道上の状態を定期的に発表している。最近の発表によると、天宮1号は2017年12月17−24日にかけて平均高度約286.5キロの軌道上(地球から最も近くで約272.6キロ、最も遠くで約300.4キロ。傾斜角は約42.85度)を運行している。姿勢は安定しており、形態に異常は見られない。
天宮1号は中国初のドッキング目標機で、2011年9月29日に打ち上げられた。有人宇宙船の神舟8号、9号、10号とドッキングした。天宮1号は2016年3月16日にすべての使命を終え、データサービスを正式に停止した。
宇宙専門家の厖之浩氏は科技日報の記者に対して「国際的な慣例によると、近地球軌道を運行する大型宇宙船は退役後、南太平洋の大陸から離れた深海に墜落する。そこは宇宙船の墓場と呼ばれる。ロシアのミール、プログレス、米国のコンプトンガンマ線観測衛星などもそこに落下している」と述べた。
大型宇宙船の墜落を制御するには技術が必要で、帰還型衛星や宇宙船の大気圏再突入とは似て非なるものだ。中国はその豊富な経験を持つ。
記者の調べによると、神舟や帰還型衛星の正確な落下制御が何度も成功しているほか、中国の月探査事業3期再突入飛行試験機が月周回軌道から第二宇宙速度で帰還した。その際に大気圏表面の「水切り」によって減速し、最終的に内蒙古の予定の位置に落下した。墜落制御について、中国は2009年に40万キロ離れた位置から、「嫦娥1号」衛星を月の「豊かの海」に墜落させた。中国は2017年9月に無人宇宙補給船「天舟1号」を軌道から切り離し、2回の制御により大気圏再突入で燃え尽きさせた。残骸は「宇宙船の墓場」に墜落した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月8日