iCloud、貴州省に移る理由は?

iCloud、貴州省に移る理由は?。

タグ:iCloud 貴州省

発信時間:2018-01-18 14:57:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 中国本土の「iCloud」サービスは2月28日より、雲上貴州ビッグデータ産業発展有限公司(以下、同社)に移管されることになった。

 

 中国情報通信研究院産業・計画研究所副主任の胡海波氏は、科技日報のインタビューに応じた際に「クラウドサービスの移管は安全面の要求は高いが、アップルと同社はソリューションプランを用意していた。本件は国家関連部・委員会からも承認されている」と述べた。

 

 iCloudは中国にデータセンターを持たない。ユーザーがiCloudにアクセスすると、アップルの米ノースカロライナ州にあるデータセンターにつながり、さらに中国にジャンプすることになる。中国と米国は遠く隔たっている。この距離はさまざまな遅延、タイムアウト、アクセス不可を引き起こす。

 

 同社にiCloudが移管されると、すべての中国人ユーザーのiCloudファイルが国内に移される。これはユーザーが今後iCloudにアクセスする際に、ネットワークがより安定的になり、ダウンロードが速くなり、パケット損失や遅延が大幅に減少することを意味する。

 

 アップルが貴安新区にデータセンターを設立することで、iCloudの性能が向上するほか、データ保管・伝送などのコストを削減できる。将来的にアップルがiCloudの関連サービス料金を引き下げる可能性もある。

 

 アップルは現在、貴安新区に実体企業を登録しており、同社と共に新区で大型データセンターを建設する予定だ。

 

 貴安新区ビッグデータ弁公室が発表した情報によると、同データセンターの投資総額は10億ドルで、敷地面積は1000ムー。工事は2期に分かれる。すでに建設先は決定しているが、まだ着工されていない。年内着工を予定しており、2020年上半期に稼働開始する見通しだ。中国本土のiCloudユーザーのすべてのデータが、海外から同社が運営するデータセンターに移される。

 

 胡氏によると、同社はこの過渡期に国内3大通信事業者と協力し、クラウド賃貸によりiCloudに運営サービスを提供する。

 

 アップルは中国の監督管理制度を検討した上で、同社を選択した。

 

 国内の監督管理要求によると、重要情報インフラ運営者が中国域内の運営で収集・生成する個人情報と重要データは、域内で保管されなければならない。また中国は数年前にIDC(インターネットデータセンター)の許可証審査・発給を再開しており、外資系企業によるデータセンター運営事業を認めていない。

 

 そのためアップルが単独で、中国でデータセンターを建設・運営する可能性はほぼない。唯一の解決策は、国内のIDC経営許可証を持つ企業との事業提携だ。

 


 関係者によると、アップルが最終的に同社を選択したのは、貴州省のビッグデータ産業の環境が近年、大幅に改善されたことと関係している。涼しい気候、安定的な地質条件、十分な電力、整ったネットワーク・インフラの他に、貴州省は4年間の発展により良好なビッグデータ産業の基礎を作っている。マイクロソフト、クアルコム、フォックスコン、ファーウェイ、アリババ、テンセント、百度などの企業が相次いで貴州省に入居しており、多くのビッグデータ企業が台頭している。特に建設を認められた初の国家ビッグデータ総合試験区により、貴州省はビッグデータ発展の面で国家レベルの支援を受けられるようになった。



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月18日


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